#05_不妊治療でよく聞く省略語解説!

不妊治療

こんにちは。白うさ🐇です。

フルタイムで働きつつ、不妊治療を続けている30代です。

自分が直面した仕事と治療の両立、多様な国の制度について悩んだり迷ったりすることを共有し、読者の方の悩みを少しでも解決できればと思っています。

本記事は、不妊治療でよく使われている略語について気になっている方におすすめです。

この記事を読めば以下について理解が進みます。

・不妊治療について調べると略語が沢山出てくるけど、それぞでどのような意味なの?

不妊治療の基本と略語の重要性

略語を知ることの重要性

不妊治療の略語を知ることは、治療の全体像を把握するうえで非常に重要です。 

略語を理解することで、インターネットや書籍からの情報収集が効率的になります。不妊治療に関する情報は膨大で、略語を知らないと正しい情報にたどり着くのが難しくなります。略語の知識は、情報収集の精度を高め、自身の治療に役立つ情報を迅速に見つける手助けとなります。 

基本的な不妊治療の略語

不妊治療には、多くの専門用語や略語が使われます。これらの略語を理解することで、治療内容やプロセスを正確に把握し、適切な選択を行うことができます。 

ART

ARTの定義と概要

ART(Assisted Reproductive Technology)は、不妊治療において広く使用される総称です。具体的には、卵子や精子、またはその両方を体外で操作する治療法を指します。体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)、凍結胚移植(FET)など、多岐にわたる技術が含まれています。これらの技術は、自然妊娠が難しいカップルにとって、希望の光となることが多いです。 

ARTの治療法は、個々の状況に応じて選ばれます。不妊の原因や年齢、体調などが考慮され、最適な方法が提供されます。成功率は治療法や個々の状況によって異なりますが、進歩した医療技術により、高い成功率を誇る場合もあります。不妊治療を考えている方にとって、ARTの基本を理解することは、治療の選択肢を広げ、自身の治療計画を立てる際に非常に重要です。 

主なARTの種類

ARTには、さまざまな種類があります。それぞれの技術は、不妊治療における特定のニーズに応じて使用されます。以下に、主なARTの種類について説明します。 

受精方法
  • IVF(体外受精)(In Vitro Fertilization) 
    最も一般的なARTの一つです。卵子と精子を体外で受精させ、受精卵を子宮に戻す方法です。IVFは、卵管閉塞や原因不明の不妊に有効です。 
  • ICSI(顕微授精)(Intracytoplasmic Sperm Injection) 
    ICSIは、精子を直接卵子に注入する技術です。特に男性不妊の場合に使用され、受精率を高める効果があります。 
移植方法
  • (新鮮胚移植)
  • FET(凍結胚移植) 
    FETは、以前の治療で凍結保存した胚を、適した時期に解凍して移植する方法です。これにより、複数回の採卵を避けることができます。
  • GIFT(配偶子卵管内移植) 
    GIFTは、卵子と精子を一緒に卵管に戻す方法です。自然な受精を促すため、特定の不妊症例に使用されます。 
  • ZIFT(接合子卵管内移植)
    ZIFTは、受精後の初期胚を卵管に戻す方法です。体外で受精させた胚を早期に体内に戻すことで、妊娠の可能性を高めます。

IVF(体外受精)

IVFの定義と手順

IVFは、卵巣から卵子を採取し、精子と体外で受精させる治療法です。受精卵が適切に成長した後、子宮に移植します。採卵、受精、胚培養、移植のステップが含まれます。 

IVFの成功率と注意点 

IVFの成功率は、年齢や健康状態により異なります。一般的に、若い女性ほど成功率が高いです。ただし、体外受精はストレスや費用がかかるため、医師と十分に相談し準備することが重要です。 

ICSI(顕微授精)

ICSIの定義と方法

ICSIは、精子を顕微鏡下で選び、細い針を使って卵子の中に直接注入する技術です。これにより、精子が卵子の殻を突破する能力が低い場合でも受精が可能となります。 

ICSIの適応症と成功率

ICSIは、特に精子数が少ない、運動率が低い、形態異常があるなど、男性側の要因で受精が難しい場合に適用されます。成功率は高く、一般的なIVFと比較しても高い受精率を誇ります。 

ICSIは、精子の質に問題がある場合に非常に有効な治療法です。受精のプロセスを直接管理するため、高い成功率を期待できます。ただし、ICSIは高度な技術を要するため、信頼できる医療機関で行うことが重要です。 

AIH(人工授精)

AIH(Artificial Insemination by Husband)は、人工授精の一種であり、夫の精子を用いる治療法です。この方法は、精子を子宮内に直接注入することで、自然受精をサポートします。以下に、AIHの詳細とそのプロセスについて説明します。 

AIHの定義とプロセス

AIHは、精子を洗浄・濃縮し、排卵のタイミングに合わせて子宮内に注入する治療法です。プロセスは比較的シンプルで、卵子と精子が自然に受精するのを助けます。AIHは、性交が困難な場合や精子の運動率が低い場合に用いられます。 

AIHの適用と効果

AIHは、男性側の軽度の不妊症や原因不明の不妊症に対して効果的です。成功率は約10~15%程度で、年齢や不妊の原因により異なります。通常、数回の試行が推奨されますが、それでも妊娠しない場合は他の治療法を検討します。 

AIHは、比較的低侵襲で費用も抑えられるため、多くのカップルにとって第一選択となることが多いです。ただし、成功率は高くないため、適切なタイミングと複数回の試行が重要です。 

移植に関する略語

不妊治療において、移植日の数え方は非常に重要な要素です。適切なタイミングで胚を移植することで、着床の成功率が高まります。 

BT(胚移植)

BT(Blastocyst Transfer)は、受精後数日目に胚を移植する方法を指します。BT1、BT3、BT5といった略語は、移植する胚の発育段階を示します。 

受精後1日目に移植する場合はBT1、3日目ならBT3、5日目はBT5と呼ばれます。胚の成長段階に応じて、最適な移植タイミングが決まります。 

BT1は受精直後の卵割期胚、BT3は8細胞期胚、BT5は胚盤胞(blastocyst)です。各段階にはそれぞれの特徴と成功率があります。一般的に、BT5の胚盤胞移植は成功率が高いとされています。 

ET(胚移植) 

ET(Embryo Transfer)は、体外で受精させた胚を子宮に戻す手法です。この方法は、胚の成長段階に関わらず、適切な時期に移植することを目的としています。 

胚が成長した状態で子宮内に戻されるため、自然妊娠に近い環境を再現できます。ETは不妊治療において一般的に使用される技術です。 

ETの成功率は、胚の品質や移植タイミング、子宮の状態により異なります。高品質な胚を適切な時期に移植することで、着床の可能性が高まります。また、移植前の子宮内膜の準備も重要なポイントです。これにより、胚が着床しやすい環境を整えることができます。 

FET(凍結胚移植)

FET(Frozen Embryo Transfer)は、 前回の治療で凍結保存した胚を解凍し、適切な時期に移植する方法です。この技術により、複数回の採卵を避けることができます。このプロセスにより、患者の身体的負担を軽減し、治療のスケジュールを柔軟に調整することが可能です。 

FETの成功率は、新鮮胚移植と同等かそれ以上とされています。胚が凍結保存されることで、その品質が保たれるためです。移植前には、子宮内膜の状態を最適化するためのホルモン治療が行われます。これにより、胚が着床しやすい環境を整えることができます。 

HRT(ホルモン補充療法)

HRT(Hormone Replacement Therapy)は、移植前に子宮内膜を準備するためのホルモン治療です。この治療により、内膜が適切な厚さと状態に保たれ、胚が着床しやすくなります。 

LMP(最終月経開始日)

LMP(Last Menstrual Period)は、最終月経の開始日を指します。この日付を基準にして、移植日やその他の治療スケジュールが計画されます。正確なLMPを把握することで、治療のタイミングを適切に設定できます。 

移植日の数え方や適切な移植タイミングを理解することは、不妊治療の成功に不可欠です。この記事で紹介した略語や概念を理解することで、治療の全体像を把握しやすくなり、医師とのコミュニケーションもスムーズに進めることができます。適切な知識を身につけることで、自身の治療に対する理解を深め、治療の成功率を高める手助けとなります。 

DPT(移植日からの経過日数)

DPT(Days Post Transfer)は移植後の日数を数えるための略語で、移植が行われた日からの経過日数を示します。DPTは、妊娠の経過を確認する上で重要な指標となります。例えば、移植後5日目(5DPT)や7日目(7DPT)に妊娠検査を行うことが一般的です。DPTは、胚の成長や着床の進行を把握するために使用されます。 

移植後の日数を正確に数えることで、適切なタイミングで妊娠検査や超音波検査を行うことができます。DPTの計算は、胚移植の日を1日目とし、その後の日数を数えます。これにより、胚の成長過程や着床状況を確認することが可能です。妊娠が確認されるまでの期間は、不安や期待が交錯する時期ですが、DPTを把握することで計画的に進めることができます。 

DPTは、医師とのコミュニケーションにも役立ちます。移植後の経過を共有することで、必要な検査や治療のタイミングを適切に決定できます。治療中は、医師からの指示をしっかりと守り、定期的なチェックを受けることが重要です。DPTを理解し、正確に数えることで、治療の成功率を高めることができます。 

不妊治療に関するその他の重要な略語

不妊治療に関する略語を理解することは、治療の全体像を把握し、適切な治療を選択するために重要です。この章では、特に重要な略語について詳しく説明します。 

OHSS(卵巣過剰刺激症候群)

OHSSの定義と症状

OHSS(Ovarian Hyperstimulation Syndrome)は、卵巣を刺激する際に過剰反応を引き起こす症候群です。卵巣が腫れ、大量の卵胞が発育することで発生します。症状としては、腹部膨満、急激な体重増加、吐き気、呼吸困難などがあります。 

OHSSの予防と対策

OHSSを予防するためには、慎重な卵巣刺激の管理が重要です。医師は、患者のホルモンレベルや卵胞の成長を注意深く監視し、必要に応じて治療計画を調整します。軽度のOHSSの場合は休息と水分補給が有効です。重度の場合は入院治療が必要になることもあります。 

AMH(抗ミュラー管ホルモン)

AMHの定義と役割

AMH(Anti-Müllerian Hormone)は、卵巣内の卵胞数を示すホルモンです。AMHのレベルは、卵巣の予備能力や卵子の質を評価するための重要な指標となります。このホルモンは卵巣内の小胞性卵胞から分泌され、卵巣の機能や不妊治療の成功率を予測するのに役立ちます。 

AMH検査の重要性

AMH検査は、不妊治療を始める前に行われることが多いです。これは卵巣の予備能力を評価し、適切な治療法を選択するために重要です。AMHレベルが高い場合、卵巣に多くの卵胞が存在し、治療の成功率が高い可能性があります。一方、AMHレベルが低い場合は卵巣の予備能力が低下していることを示し、治療計画を慎重に立てる必要があります。 

AMH検査は血液検査で簡単に行うことができ、患者の負担が少ないため、多くのクリニックで採用されています。この検査結果を基に、医師は患者に最適な治療法を提案し、治療の成功率を高めることができます。 

私はまさに低AMHです。30代前半の時に、40代半ばくらいの数値と言われ衝撃を受けました。

HSG(子宮卵管造影検査)

HSGの定義と目的

HSG(Hysterosalpingography)は、子宮と卵管の形態を評価するためのX線検査です。この検査は、不妊症の原因を特定するために行われます。具体的には、子宮内の異常や卵管の閉塞を確認することができます。 

HSGは、不妊治療の初期段階で行われることが多く、治療方針を決定するための重要な情報を提供します。この検査により、卵管が詰まっているかどうかや、子宮の形態に異常がないかを確認することができます。これにより、治療方法の選択や必要な手術の有無を判断することができます。 

HSGの手順と結果の解釈

HSGでは、造影剤を子宮に注入し、その後X線を使用して画像を撮影します。このプロセスにより、子宮と卵管の内部構造を詳細に観察できます。検査は通常、月経が終わった直後のタイミングで行われ、排卵前に実施されます。 

検査結果が正常であれば、子宮と卵管に異常がないことが確認されます。異常が見つかった場合は、適切な治療や手術が必要になることがあります。例えば、卵管が詰まっている場合は、卵管通過を改善するための手術が検討されることがあります。また、子宮内にポリープや筋腫がある場合は、それらを除去する手術が行われることがあります。 

HSGは、不妊の原因を特定するための重要な検査であり、治療の方向性を決定するための貴重な情報を提供します。患者にとっては、検査の結果を理解し、次のステップに進むための重要な手がかりとなります。 

PGS/PGD(着床前遺伝子スクリーニング/診断)

PGS/PGDの定義と違い

PGS(Preimplantation Genetic Screening)とPGD(Preimplantation Genetic Diagnosis)は、胚の遺伝子異常を検査する技術です。 

  • PGS:染色体異常をスクリーニングするための検査。着床前に健康な胚を選ぶことが目的 
  • PGD:特定の遺伝性疾患を診断するための検査 

PGSでは、胚の染色体数を調べ、異常がないかを確認します。これにより、健康な胚を選び、妊娠の成功率を高めることができます。 

PGDは、遺伝性疾患のリスクがあるカップルに対して行われ、特定の遺伝子異常を持つ胚を除外することで、健康な赤ちゃんを迎えるための手助けとなります。 

PGS/PGDの適用とメリット

PGS/PGDは、特に高齢の女性や遺伝性疾患のリスクがあるカップルに有効です。これらの技術を用いることで、健康な胚を選択し、妊娠の成功率を高めることができます。また、遺伝性疾患のリスクを低減することができ、健康な赤ちゃんを迎えるための大きな助けとなります。 

PGS/PGDの適用は、医師と相談し、個々の状況に応じて決定されます。これらの検査は、体外受精(IVF)の一環として行われることが多く、胚の健康状態を確認するための重要なステップです。適切な検査を受けることで、患者は安心して治療を進めることができます。 

TSH(甲状腺刺激ホルモン)

TSHの定義と役割

TSH(Thyroid Stimulating Hormone)は、甲状腺の機能を調節するホルモンです。甲状腺は、体の代謝をコントロールする重要な器官であり、TSHはその働きをサポートします。TSHのレベルは、甲状腺の健康状態を評価するための重要な指標となります。 

TSH検査の重要性

TSH検査は、不妊治療を受ける前に行われることが多いです。甲状腺機能の異常は、妊娠に影響を与える可能性があるためです。TSHレベルが異常であれば、適切な治療を受けることで、甲状腺機能を正常化し、妊娠の成功率を高めることができます。TSH検査は血液検査で簡単に行うことができ、多くのクリニックで実施されています。 

今まで特に気にしてこなかった甲状腺。まさかのTSHが基準値外で治療を始めました。

LH(黄体形成ホルモン)

LHの定義と役割

LH(Luteinizing Hormone)は、排卵を促進するホルモンです。月経周期の中で、LHの急激な上昇が排卵を引き起こします。LHは、妊娠のための重要なホルモンであり、排卵のタイミングを把握するために利用されます。 

LH検査の重要性

LH検査は、排卵のタイミングを特定するために使用されます。特に人工授精(AIH)や体外受精(IVF)などの不妊治療では、最適な排卵のタイミングを見極めることが重要です。LH検査は、尿や血液検査で簡単に行うことができ、治療の効果を最大化するために不可欠な検査です。 

FSH(卵胞刺激ホルモン)

FSHの定義と役割

FSH(Follicle Stimulating Hormone)は、卵胞の発育を促進するホルモンです。FSHは、卵巣内で卵胞が成熟するのを助け、排卵の準備を整えます。月経周期の初期に分泌され、卵巣の機能をサポートします。 

FSH検査の重要性

FSH検査は、卵巣の機能を評価するために行われます。特に高齢の女性や卵巣機能が低下している場合、FSHレベルが上昇することがあります。FSH検査は血液検査で簡単に行うことができ、卵巣の予備能力を評価し、適切な治療計画を立てるために重要です。 

PGT(Preimplantation Genetic Testing)

PGTは着床前遺伝子検査の略で、胚移植前に遺伝子異常を検査する方法です。PGTは、遺伝性疾患のリスクがあるカップルや、高齢出産を希望する女性にとって重要な検査です。この検査により、健康な胚を選び出し、妊娠の成功率を高めることができます。 

PGTには主に3つの種類があります。これらの検査は、体外受精(IVF)の一環として行われ、胚の細胞を採取して分析します。

  • PGT-A:染色体異常を検査するもの。 
  • PGT-M:特定の遺伝性疾患を検出するもの。 
  • PGT-SR:構造的な染色体異常を特定するもの。 

PGTのメリットは、遺伝子異常を事前に検出できるため、健康な妊娠を実現する可能性が高まることです。検査結果に基づき、最も健康な胚を選んで移植することで、流産のリスクを低減します。また、遺伝性疾患のリスクを避けることで、生まれてくる子供の健康を確保できます。 

PGTの検査には、高度な技術と専門的な知識が必要です。そのため、信頼できる医療機関で検査を受けることが重要です。検査を受ける前に、医師と十分に相談し、検査の適応やリスク、メリットを理解しておくことが求められます。PGTは、将来の家族計画において非常に重要な役割を果たすことが期待されています。 

まとめ 

本記事では不妊治療で使われる略語についてまとめました。 

不妊治療を始めるには不安がつきものです。ただ、あまり大っぴらに周囲の人に相談するのはためらう人も多いと思います。その際に活躍するものがインターネットやSNSです。 特にSNSでは経験談を略語で表現されている方が多いため、情報収集する際には略語の理解が欠かせません。

本記事を参照にし、気になる情報をキャッチすることで不安の解消の手助けになれば嬉しいです。 

筆者は医療関係者ではありません。治療を通じて調べたこと、担当医や看護師さんから伺ったことを元に記事を作成しています。従い、本記事の内容については参考までとしてください。本ブログから不明点が明確化し、かかりつけの医療機関に尋ねるきっかけになれば幸いです。

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