こんにちは。白うさ🐇です。
フルタイムで働きつつ、不妊治療を続けている30代です。
自分が直面した仕事と治療の両立、多様な国の制度について悩んだり迷ったりすることを共有し、読者の方の悩みを少しでも解決できればと思っています。

本記事は、人工授精について気になっている方におすすめです。
この記事を読めば以下について理解が進みます。
- 人工授精ってよく聞くけど具体的に何するの?
- 体外受精との違いって何?
- 費用はどれくらいかかるの?
- 保険適用はされるの?
人工授精とは?
人工授精の基本的な概念
人工授精とは、人工的に精子を女性の子宮内に注入する不妊治療の一つです。通常、夫婦が自然に妊娠することが難しい場合に選択されます。精子は洗浄・濃縮され、最も運動性の高い精子のみを選別して使用します。これにより、受精の確率を高めることができます。
人工授精と体外受精の違い
人工授精と体外受精はどちらも不妊治療ですが、その方法と適応が異なります。人工授精は、精子を直接子宮内に注入する比較的シンプルな方法です。一方、体外受精は、卵子と精子を体外で受精させ、受精卵を子宮に戻す方法です。体外受精は、より高度な技術と設備を必要とし、人工授精よりも費用が高くなります。
人工授精が選ばれる理由
人工授精は、主に以下のような理由で選ばれます。
- 女性の卵管が正常であるが、男性の精子の数や運動性が低い場合
- 原因不明の不妊症や軽度の子宮内膜症がある場合
- タイミング法での妊娠が難しい場合や、痛みやそのほかの理由で自然な行為が難しい場合にも有効です。
人工授精の特徴は以下の通りです。
- 比較的低侵襲
- 治療期間が短い
- 体外受精に比べて身体的・経済的負担が少ない
- 治療は通常、排卵のタイミングに合わせて行われるため、通院頻度も比較的少ない
上記から特に働く女性にとって、治療と仕事の両立がしやすい点が大きな魅力です。これらの理由から、人工授精は多くのカップルにとってタイミング法の次の選択となることが多いです。
人工授精の治療プロセス
初回の診察とカウンセリング
人工授精を始める際には、まず初回の診察とカウンセリングが行われます。医師がカップルの健康状態や不妊の原因を詳しく調べ、適切な治療計画を立てます。ここでは、過去の病歴や現在の健康状態について詳細な質問がされます。検査結果に基づいて、最適な排卵誘発剤の選択や投与方法が決まります。また、治療の流れやリスク、成功率についての説明も受けることができます。不明点や不安なことがあれば積極的に聞きましょう。
治療の流れとステップ
排卵誘発のための薬剤投
治療の最初のステップは、排卵誘発剤の投与です。排卵誘発剤には、飲み薬と注射薬があります。排卵誘発剤の投与期間は、通常5日間から10日間程度です。治療中は定期的に病院で卵胞の成長を確認します。

排卵誘発剤を使用するかどうかは個人の状況、病院の方針によって異なります。私は誘発剤なしで卵胞の定期的な成長観察に入りました。
卵胞の成長観察と超音波検査
排卵誘発剤の投与が始まると、卵胞の成長を観察するために超音波検査が行われます。超音波検査は、通常2〜3日に一度の頻度で行われます。卵胞が適切な大きさに成長しているかを確認し、排卵のタイミングを見計らいます。また、血液検査でホルモン値を測定し、排卵のタイミングをさらに正確に把握します。適切なタイミングを見計らって、人工授精の日程を決定します。
精子採取と精子の洗浄・準備
人工授精の日には、パートナーの精子を採取します。精子の採取は基本的に人工授精の当日(人工授精を行う4,5時間以内)に行います。ただし、パートナーが出張等でタイミングが合わない場合は、事前に精子凍結を行うことも可能です。精子は洗浄・濃縮され、運動性の高い精子を選別します。このプロセスを精子洗浄と言います。洗浄された精子は、人工授精に最適な状態に整えられます。精子の質を向上させるために、禁欲期間を数日(私の通っていたクリニックでは2,3日)設けることが推奨される場合もあります。洗浄された精子は、子宮内に直接注入される準備が整います。
人工授精の実施
精子の準備が整ったら、いよいよ人工授精を実施します。人工授精は、痛みが少なく短時間で終わる手技です。細いカテーテルを使って、洗浄・濃縮された精子を子宮内に注入します。注入後は、少しの間横になって休むことが推奨されます。その後、通常の生活に戻ることができます。人工授精の成功率は、年齢や不妊の原因によって異なりますが、複数回の実施で成功率が高まることが多いです。
成功率と期待できる効果
人工授精の成功率は、さまざまな要因に左右されます。年齢、卵巣の状態、精子の質などが主な要因です。一般的に、30歳前後の女性の場合、一回の人工授精での成功率は10〜15%程度です。しかし、複数回の実施で成功率が向上し、約6回の人工授精で約50%のカップルが妊娠に至ると言われています。また、治療を続けることで、さらに高い成功率を期待することができます。
人工授精は、1周期毎に行えるので短期間で結果が出ることが多く、体外受精に比べて身体的・経済的負担が少ないです。また、治療を続けることで、成功率が徐々に上がるため、多くのカップルにとって有効な治療法となっています。治療期間中は、医師と密にコミュニケーションを取り、適切なアドバイスを受けながら進めることが重要です
通院とスケジュール管理
通院の頻度とスケジュール例
人工授精の治療期間中、通院頻度は治療の進行状況に応じて異なります。通常、排卵誘発剤の投与開始後は、2〜3日に一度通院し、超音波検査や血液検査を行います。これは、卵胞の成長をモニタリングし、適切な排卵のタイミングを見計らうためです。排卵が確認されたら、人工授精の施術日が決まります。通院期間は通常2〜3週間程度で、治療のピーク時には頻繁な通院が必要です。
スケジュール例として、月経開始から5日目に排卵誘発剤を開始し、10日目に初回の超音波検査を受けます。その後、2〜3日おきに検査を行い、20日目頃に人工授精を実施することが一般的です。各自の状況によりスケジュールは異なりますが、大まかな流れはこのようになります。
仕事と治療の両立方法
働く女性にとって、仕事と治療の両立は重要な課題です。治療期間中は、頻繁な通院が必要なため、事前にスケジュールを調整しておくことが大切です。まず、職場に治療について相談し、必要な休暇やフレックス勤務の許可を得ることが推奨されます。多くの職場では、不妊治療に理解を示すケースが増えています。

私は人工授精を始めるにあたり職場の一部の人に相談しました。身の回りの反応に限られますが、驚く人はいるものの、概ね理解してもらえる印象はありました。まあ心の中は分かりませんが笑 このご時世相談した上で”NO!”と職場が言った場合は会社側が不利になるので、表立って拒否する人は減りつつあると思います。
治療費用と保険適用
治療にかかる費用の目安
人工授精の治療費用は、クリニックや治療内容によって異なります。一般的に、1回の人工授精にかかる費用は2万〜5万円程度です。(私の場合、排卵誘発剤がなかったので、1万円前後でした)この費用には、排卵誘発剤の費用や精子の洗浄・準備費用が含まれます。また、初診料や検査費用も別途かかるため、初回の費用はやや高めになります。
複数回の治療を行う場合、その都度費用が発生します。成功率を考慮し、平均して3〜6回の治療が必要になることが多いため、総額で10万〜30万円程度を見積もっておくと良いでしょう。さらに、治療中の通院費や交通費も考慮に入れる必要があります。これらの費用は、クリニックによって大きく異なるため、事前に詳細な見積もりを取ることが重要です。
保険適用の範囲と助成金制度
人工授精の治療費用は、一部例外はあるかもしれませんが、基本的に保険適用されます。
治療費用が高額となった場合は医療費控除として申請することも考慮に入れましょう。年間の医療費が一定額を超える場合、確定申告で医療費控除を受けることができます。これにより、治療にかかる費用の一部が所得税から控除され、経済的な負担が軽減されます。
まとめ
人工授精は働く女性にとって、経済的にも身体的にも比較取り組みやすい治療です。
不妊治療は自然に逆らっているのでは?と抵抗感がある方もいるかもしれませんが、精子か子宮にたどり着くプロセスが自然妊娠と異なるだけで、あとは自然妊娠と何ら変わりません。赤ちゃんを望むのであれば、心のハードルは低くして一度試してみても良いと思います。
また、治療中の経済的な負担を軽減するために、保険、助成金制度、医療費控除を活用することをお勧めします。
筆者は医療関係者ではありません。治療を通じて調べたこと、担当医や看護師さんから伺ったことを元に記事を作成しています。従い、本記事の内容については参考までとしてください。本ブログから不明点が明確化し、かかりつけの医療機関に尋ねるきっかけになれば幸いです。
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