#04_体外受精って何する?

不妊治療

こんにちは。白うさ🐇です。 

フルタイムで働きつつ、不妊治療を続けている30代です。 

自分が直面した仕事と治療の両立、多様な国の制度について悩んだり迷ったりすることを共有し、読者の方の悩みを少しでも解決できればと思っています。 

本記事は、体外受精について気になっている方におすすめです。

この記事を読めば以下について理解が進みます。 

  • 体外受精ってよく聞くけど具体的に何するの? 
  • 通院頻度はどのくらい? 
  • 費用はどれくらいかかるの? 
  • 保険適用はされるの? 

はじめに

体外受精とは?

体外受精は、体外で精子と卵子を受精させてから、胚を子宮に戻す不妊治療法です。通常の自然妊娠とは異なり、医療技術を駆使して妊娠を目指す方法です。不妊に悩むカップルにとって、大きな希望となる治療法の一つです。

なぜ体外受精が必要なのか?

体外受精が必要となる理由はさまざまですが、多くの場合、自然妊娠が困難なカップルに適用されます。  
原因不明の不妊や、その他の不妊治療法で成果が得られなかった場合にも体外受精が選択されます。体外受精は、これらの課題を克服するための有効な手段です。

体外受精の治療プロセス

初回診察とカウンセリング

体外受精を始めるにあたり、最初に行うのが初回診察とカウンセリングです。この段階では、不妊治療専門医があなたとパートナーの健康状態や不妊の原因を詳しく調べます。初回診察では、過去の病歴や生活習慣、現在の健康状態について詳細な問診が行われます。  


その後、カウンセリングを通じて、体外受精の流れや期待される成果、リスクについて説明がなされます。このプロセスは、治療を進める上での理解を深めるために非常に重要です。自分自身の状況を正確に把握し、医師と信頼関係を築くことが成功の鍵です。

基礎検査と評価

初回診察とカウンセリングが終わると、次に行うのが基礎検査と評価です。この段階では、さらに詳細な検査が行われ、不妊の具体的な原因を特定します。女性の場合、血液検査や超音波検査、子宮鏡検査などが行われます。男性の場合は精液検査が主な検査となります。 
 
これらの検査結果を基に、医師は個々のカップルに最適な治療計画を立てます。検査は少し時間がかかりますが、正確な診断を下すために非常に重要です。治療の成功率を高めるためにも、この段階でしっかりと検査を受けることが求められます。

治療計画の立案

基礎検査と評価の結果を踏まえて、次に行われるのが治療計画の立案です。この段階では、医師があなたの体質や健康状態に合わせたオーダーメイドの治療計画を作成します。治療計画には、排卵誘発の方法や採卵のスケジュール、胚移植の日程などが含まれます。 
 
また、治療計画の説明を受ける際には、不明点や不安点をしっかりと医師に確認することが重要です。計画に納得した上で治療を開始することで、治療に対する不安を軽減し、より積極的に取り組むことができます。治療計画は柔軟に調整されることもあり、治療の進行に応じて変更が加えられる場合もあります。 
 
体外受精は複数のステップを経て進行するため、治療計画に従ってスケジュールを管理することが重要です。この記事では、治療の各段階を詳しく解説し、あなたが安心して治療に臨めるようサポートします。

体外受精の治療内容詳細

排卵誘発法

排卵誘発法は、体外受精の成功において非常に重要なステップです。排卵誘発法の目的は、多くの卵子を成熟させることで、採卵の際に質の良い卵子を確保することです。この段階で使用される治療法には、注射、張り薬、膣座薬の3種類があります。

注射の種類と投与方法

排卵誘発のために使用される注射薬には、FSH製剤やHMG製剤などがあります。これらの注射は、毎日決まった時間に自己投与する場合が多いです。医師の指示に従い、正確な時間に投与することが重要です。注射の種類や投与方法は、患者の体質や治療計画に応じて異なる場合があります。医師とのコミュニケーションを密にし、適切な投与を心がけましょう。

医療機関にもよると思いますが、自己注射を行う前には看護師さんからのレクチャがあります。ペン型注射の場合は”注射”といっても、かなり簡易なステップで自己投与が可能となっています。また、通院の負担は増えますが、自己注射がどうしても不安な方はクリニックで注射してくれるところもあります。

張り薬とその使用方法

張り薬は、皮膚に貼ることで薬剤を体内に吸収させる方法です。排卵誘発の一環として、エストロゲンを補充するために使用されることがあります。張り薬は、決められた場所に一定期間貼り続ける必要があります。使用する場所や頻度は医師の指示に従いましょう。また、皮膚のかぶれやかゆみが生じることがあるため、異常があればすぐに医師に相談してください。

私の場合はエストラーナテープを2日に1回の張替えていました。2日目には多少の痒みはありましたが、かぶれることはありませんでした。ただし、これについては個人の皮膚の強さによって変わります。また人によっては気を付けていても2日持たずに剝がれてしまう人もいるようです。その際の対処法は通院先の看護師さんに方針を聞かれることが一番良いですが、参考までに私の通っていた医療機関ではテープの半分以上の面積が剥がれた場合は2日経過していなくて新しいものと交換するのように言われました。

膣座薬の種類と投与タイミング

膣座薬は、膣内に挿入して使用する薬剤で、プロゲステロンを補充するために使用されます。排卵誘発後や胚移植後に投与されることが多いです。膣座薬の投与タイミングは、医師の指示に従い、朝晩の2回など、決まった時間に行うことが一般的です。使用方法を正しく守り、感染予防のために手洗いを徹底しましょう。

投与のコツとしては、夜についてはお風呂上りの体がまだ濡れているタイミングに行うと入れやすかったです。薬の種類にもよりますが、朝の場合は少し濡らしても良いと言われました。

採卵と受精

排卵誘発が成功し、卵子が成熟したら次に行われるのが採卵と受精です。この段階は、体外受精の中でも特に緊張する場面ですが、医師と協力して進めることで成功率を高めることができます。

採卵手術の手順と注意点

採卵は、麻酔下で行われる外科的手術です。超音波を用いて卵巣内の成熟卵を針で吸引します。手術自体は短時間で終わりますが、術後は安静が必要です。採卵後の出血や腹痛などの症状が出ることがありますので、異常を感じた場合はすぐに医師に連絡してください。また、採卵当日は激しい運動や入浴を避け、体を休めることが大切です。

医療機関の方針や個々の状況にもよりますが、基本的には採卵後は入院なしで日帰りで帰宅できます。

受精の方法と成功率

採卵後の卵子は、精子と体外で受精させます。受精方法には、体外受精(IVF)と顕微授精(ICSI)の2種類があります。IVFでは、卵子と精子を同じ培養皿に入れて自然受精を待ちます。一方、ICSIでは、顕微鏡下で精子を卵子に直接注入します。どちらの方法を選択するかは、精子の状態や過去の治療結果によります。受精の成功率は、卵子や精子の質、医療機関の技術力によって異なります。

胚培養と胚移植

受精が成功すると、次に行われるのが胚培養と胚移植です。この段階では、受精卵が胚に成長するまで培養し、その後子宮内に戻します。

胚の培養期間と管理

受精後の胚は、通常3~5日間培養されます。この期間中、胚は厳密に管理された環境下で成長を続けます。培養の進行状況は、胚の分割や形態を観察しながら評価されます。胚が正常に成長しているかどうかは、最終的な移植の成功に大きく影響します。最も優れた胚を選んで移植することで、妊娠の確率が高まります。

胚移植の方法とスケジュール

胚培養が完了したら、次に行うのが胚移植です。胚移植は、通常麻酔なしで行われ、痛みもほとんどありません。カテーテルを用いて、選ばれた胚を子宮内に戻します。胚移植のタイミングは、胚の成長状態や子宮内膜の状態を考慮して決定されます。移植後は、数時間から1日程度安静にし、その後も無理のない範囲で日常生活を送ることが推奨されます。 
 
胚移植後は、着床を促進するための薬剤(膣座薬や注射)を引き続き使用します。移植後の2週間は、妊娠判定日まで非常に重要な期間となりますので、医師の指示に従い、安静を保ちながら過ごすことが求められます。 

体外受精の通院頻度

通院スケジュールの全体像

体外受精の治療プロセスは複雑で、通院頻度も多くなります。通院スケジュールを把握することで、治療に対する準備や心構えがしやすくなります。治療の開始から妊娠判定まで、複数回の通院が必要です。具体的には、初回診察、排卵誘発のための通院、採卵手術、胚移植、そして妊娠判定日までの各段階で通院します。スケジュールを事前に確認し、仕事や生活との調整を行うことが重要です。

各治療段階での通院回数

各治療段階における通院回数は、それぞれの治療プロセスによって異なります。排卵誘発期間中は、ホルモンの状態をモニタリングするために数回の通院が必要です。通常、3~5日おきに通院し、超音波検査や血液検査を受けます。これにより、卵巣の反応や卵胞の成長を確認します。 
 
採卵の日が近づくと、通院頻度はさらに増えます。採卵前には最終的な成熟促進のための注射を行い、その後採卵手術を受けます。採卵後は、1回程度の経過観察のための通院が必要です。胚移植の日程が決まると、移植当日とその後の妊娠判定までの間に1~2回程度の通院が求められます。

体外受精の費用と保険適用

体外受精にかかる費用の内訳

通常、体外受精の総費用は保険適用の範囲で数十万円程度。自費治療を行う場合は百万円以上かかることがあります。費用の内訳を理解し、予算を立てることが大切です。また体外受精では高額療養費制度の対象となることもあります。所得により上限は異なりますが、ある程度費用が抑えられます。また、所属している会社によっては付加給付金の制度もあります。加えて確定申告の医療費控除も対象にもなります。以前は”体外受精は莫大な費用がかかる”というイメージがありましたが、保険適用の範囲内であれば想定より費用がかからないケースもありますので、各々の該当する制度を一度調べてみてください。

費用については医療機関にもよりますので、詳細は通院にご確認ください。

保険適用の範囲と自己負担

2022年4月から、日本では体外受精の一部が保険適用となりました。これにより、費用負担が大幅に軽減されています。ただし、すべての治療が保険適用されるわけではなく、適用範囲には制限があります。 
 
保険適用となるのは、排卵誘発剤の一部、採卵手術、胚移植などの基本的な治療です。また先進医療については保険適用範囲の治療と併用することが可能です。保険治療の範囲内でも基本的な治療は受けることが可能です。特定の検査や高度な治療方法、または自由診療で行われる追加治療は、保険適用外となります。自由診療を選択した場合は、保険適用範囲を含めて自己負担となります(保険治療と自由診療の併用不可のため)ので注意が必要です。 
 
保険適用の詳細や適用範囲については、治療を受ける医療機関で確認することが重要です。

体外受精に対するよくある質問と回答

治療の流れや所要期間は?

体外受精の治療は、排卵誘発から始まり、採卵、受精、胚移植、妊娠判定と進行します。一般的に4~6週間かかります。 採卵と移植を別周期で行う場合は2か月程度かかります。

体外受精の成功率は?

成功率は年齢や健康状態、治療方法、移植杯のグレードによって異なりますが、若い女性の場合、1回の治療での成功率は約30~40%です。

通院頻度はどのくらい?

通院は排卵誘発期間中に3~5日おき、採卵前後に数回、胚移植の日を含め、合計10回程度が一般的です。

生活習慣で気を付けるべきことは?

治療中の生活習慣については、健康的な食事と適度な運動、十分な睡眠を心がけることが推奨されます。アルコールやカフェインの過剰摂取は避け、ストレスを軽減するためのリラクゼーションも重要です。

仕事と治療の両立は可能か?

体外受精まで進まれる方には治療を機に離職される方もいます。仕事と治療の両立については多くの人がぶつかる壁ですが、可能な範囲で事前に職場に相談し、できるだけ通院や休養のための柔軟な勤務体制を整えることが望ましいです。治療スケジュールを把握し、周囲との調整を計画的に進めることで、仕事と治療をバランスが取りやすくなります

パートナーとのコミュニケーションでの留意点は?

治療に関する決定は二人で話し合い、納得のいく形で進めることが望ましいです。治療の進行状況や結果に一喜一憂せず、冷静に対処する姿勢が求められます。パートナーと共に目標に向かって進むことで、治療への前向きな取り組みができるでしょう。

まとめ

体外受精はタイミング法や人工授精で臨んだ結果が得られなかった人にとって画期的な治療法です。年齢制限や、適用範囲に制限はあるものの、経済面では保険適用になったことにより従来よりも治療受けるハードルが下がりました。 

一方、身体面(仕事面)ではこれまでのタイミング法や人工授精と比べて通院頻度がグッと多くなります。人によっては薬の影響を受けることもあり、仕事との両立のハードルは比較的高くなります。ただ、最近は不妊治療をしている人が多くなり、時流としても会社側は受け入れる体制をとる(とらざる負えない)流れになってきています。まだまだ会社によって状況は異なりますが、以前よりは柔軟な調整が期待できます。

職場の人に”妊活””不妊治療”というプライベートな話をするということに消極的になる気持ちは共感します。ただ、実体験から信頼できる味方を作っておくと治療と仕事の両立も無理なことではないと感じています。

筆者は医療関係者ではありません。治療を通じて調べたこと、担当医や看護師さんから伺ったことを元に記事を作成しています。従い、本記事の内容については参考までとしてください。本ブログから不明点が明確化し、かかりつけの医療機関に尋ねるきっかけになれば幸いです。

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