こんにちは。白うさ🐇です。
フルタイムで働きつつ、不妊治療を続けている30代です。
自分が直面した仕事と治療の両立、多様な国の制度について悩んだり迷ったりすることを共有し、読者の方の悩みを少しでも解決できればと思っています。

本記事は、AMHが気になっている方、PCOSもしくは低AMHと言われた方におすすめです。
この記事を読めば以下について理解が進みます。
- AMHとは?
- AMHを下げないためには何をすればよい?
- 低AMHでも妊娠できる?
はじめに
AMHの定義
AMHとは「アンチミューラリアンホルモン」の略称で、卵巣の機能を示すホルモンです。このホルモンは、女性の卵巣内にある小胞性卵胞から分泌され、卵巣内にどれだけの卵子が残っているかを示す指標となります。AMHの値は、卵巣の予備能を評価するために重要です。不妊治療を検討する際、まずAMH値を知ることが一つの出発点となります。
AMHの役割と重要性
AMHは、卵巣の予備能を評価するための最も信頼できる指標の一つです。年齢が上がるにつれて卵巣内の卵子の数は減少し、AMH値も低下します。このため、AMH値は年齢とともに変化し、その値を知ることで今後の妊娠計画を立てる上で大いに役立ちます。
AMH値が高い場合、多くの卵子が残っていることを示しますが、必ずしも妊娠しやすいとは限りません。逆に、AMH値が低い場合は、卵子の数が少ないことを示しており、早急に不妊治療を検討する必要があるかもしれません。しかし、AMH値だけで妊娠の可能性を完全に判断することはできません。他のホルモン検査や、医師の診断と併せて総合的に評価することが重要です。
AMHの測定は、特定の月経周期に左右されず、いつでも行うことができるため、不妊治療の初期段階でよく行われます。また、AMH値は体外受精(IVF)などの治療法を選択する際の参考にもなります。
(例:AMH値が低い場合、刺激法や治療の方針を変える等)
さらに、AMHは卵巣の年齢を示すため、若い女性でも卵巣機能が低下している場合に早期発見が可能です。これにより、早期に適切な治療を受けることができるため、将来的な妊娠の可能性を高めることができます。
AMHの測定方法
AMHの測定時期と頻度
AMHの測定は、月経周期に関係なくいつでも行うことができます。これは、他のホルモン検査とは異なり、特定の周期に依存しないため非常に便利です。通常、最初の不妊治療の相談時や検査時にAMHの測定が行われます。AMH値は個々の卵巣予備能を示すため、定期的に測定することで卵巣の状態をモニタリングできます。
一般的に、半年から一年に一度の頻度で測定することが推奨されます。特に不妊治療を進めている場合や、年齢が進むにつれて卵巣機能の低下が懸念される場合は、定期的なチェックが重要です。また、治療法を変更する際や、新しい治療を始める前にも測定が行われることが多いです。
AMHの測定手順と注意点
AMHの測定は、血液検査によって行われます。採血自体は簡単で、通常の血液検査と同じ手順で行われます。
測定結果は通常、数日から一週間程度で得られます。結果を受け取った後は、医師と一緒に結果を解釈し、今後の治療方針を決定します。AMH値が低い場合は、卵巣機能が低下している可能性があり、早期の治療が必要となることもあります。一方、AMH値が高い場合は、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性も考えられます。
AMH測定の結果は、不妊治療の計画を立てる上で非常に重要です。結果に基づいて、適切な治療法やアプローチを選択することで、より効果的な治療が期待できます。また、結果を冷静に受け止め、必要に応じて専門家のアドバイスを求めることも大切です。
AMHの数値とその解釈
AMHの正常値と異常値
AMHの数値は、卵巣の予備能を示す重要な指標であり、その数値は年齢によって異なります。一般的に、AMHの正常値は1.0~4.0 ng/mLとされています。この範囲内であれば、卵巣の機能が良好であると考えられます。
しかし、AMHの数値が1.0 ng/mL未満の場合、卵巣予備能が低下している可能性があり、早急に不妊治療を検討する必要があります。(=低AMH)
一方、4.0 ng/mLを超える場合、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性があるため、注意が必要です。PCOSは卵巣に多数の小さな卵胞が形成される状態で、不妊の原因となることがあります。
年齢別のAMH数値分布
AMHの数値は年齢とともに変化し、通常は20代後半から30代にかけて減少し始めます。以下に、年齢別の平均的なAMH数値の目安を示します:
20代前半: 3.0~5.0 ng/mL
20代後半: 2.5~4.5 ng/mL
30代前半: 2.0~4.0 ng/mL
30代後半: 1.5~3.5 ng/mL
40代前半: 1.0~2.5 ng/mL
これらの数値はあくまで目安であり、個人差があります。同年代でも、生活習慣や遺伝的要因により大きく異なることがあります。したがって、自分のAMH数値が平均値から外れていても、すぐに不安になる必要はありません。専門医と相談し、総合的な評価を受けることが重要です。
AMH数値の低下や増加の要因
AMH数値はさまざまな要因によって影響を受けます。
まず、年齢は最も大きな影響を与える要因の一つです。加齢に伴い、卵巣内の卵子の数は自然に減少し、それに伴ってAMH数値も低下します。
他にも、以下の要因がAMH数値に影響を与えることがあります:
生活習慣:喫煙や過度のアルコール摂取、ストレスなどは、卵巣機能に悪影響を及ぼし、AMH数値を低下させる可能性があります。健康的な生活習慣を維持することが、卵巣機能を保つために重要です。
ホルモンバランス:ホルモンバランスの乱れもAMH数値に影響を与えることがあります。例えば、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などのホルモン異常は、AMH数値を異常に高くすることがあります。
遺伝的要因:遺伝的な要因もAMH数値に影響を与えることがあります。同じ家系で早期閉経が多い場合、同様にAMH数値が低い可能性があります。
環境要因:環境中の有害物質や化学物質も卵巣機能に影響を与えることがあります。これらの物質に長期間さらされることで、AMH数値が低下する可能性があります。
健康状態:甲状腺機能障害や糖尿病などの慢性疾患も、卵巣機能に影響を与えることがあります。これらの健康状態がAMH数値にどのように影響するかを理解し、適切な管理を行うことが大切です。
■AMH数値が低下していると診断された場合
早期に専門医と相談し、適切な対応を検討することが重要です。生活習慣の見直しや、必要に応じてホルモン治療を行うことで、卵巣機能の改善を図ることができます。
■AMH数値が異常に高い場合
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性があり、適切な診断と治療が必要です。PCOSは不妊の原因となるだけでなく、糖尿病や心血管疾患のリスクも高めるため、早期の対応が重要です。
AMHと不妊治療の関係
AMHが示す妊娠可能性
AMH値は、卵巣の予備能を示す重要な指標であり、妊娠可能性を評価する際に非常に役立ちます。AMH値が高ければ卵巣内に残っている卵子の数が多いことを示し、妊娠のチャンスが高いと考えられます。しかし、AMH値が低い場合、卵子の数が少なく、妊娠が難しくなる可能性があります。
ただし、AMH値だけで妊娠の可能性を完全に判断することはできません。AMH値は卵巣内の卵子の量を示す一方で、卵子の質や他の要因も妊娠に影響を与えます。したがって、AMH値は妊娠の可能性を評価するための一つの目安であり、他の検査結果や総合的な医師の診断と組み合わせて判断することが重要です。
また、AMH値が正常範囲内であっても、他の要因で不妊の原因がある場合もあります。例えば、卵管の閉塞や子宮内膜症など、卵子の質や卵巣機能とは別の問題があることも考慮しなければなりません。
AMH値を基にした治療法の選択
AMH値は、不妊治療の計画を立てる際に非常に重要な役割を果たします。治療法の選択やその進め方に大きく影響を与えるため、AMH値を基にした適切な治療法を選択することが求められます。
■AMH値が低い場合
卵巣の予備能が低下しているため、早急に治療を開始することが推奨されます。この場合、一般的には体外受精(IVF)などの高度な不妊治療が検討されます。IVFでは、ホルモン刺激を行い、複数の卵子を採取して受精させ、胚を子宮に移植する方法が取られます。
■AMH値が高い場合
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性が考えられます。PCOSは卵巣内に多数の未熟な卵胞が存在し、排卵が不規則になる状態です。この場合、まずは生活習慣の改善や薬物療法で排卵を促し、自然妊娠を目指す治療が行われることが多いです。また、ホルモン療法や卵巣刺激を調整することで、効果的な治療が可能です。
■AMH値が正常範囲内の場合
他の要因で不妊の問題がある場合は、それに応じた治療が必要です。例えば、卵管の問題や男性側の不妊が原因の場合、手術や人工授精(IUI)などの治療法が検討されます。
以上から、AMH値だけでなく、総合的な不妊の原因を明確にし、それに基づいた治療計画を立てることが重要です。
また、AMH値の変動を定期的にモニタリングすることで、治療の効果を評価し、必要に応じて治療法を調整することができます。治療中にAMH値が低下する場合は、治療法の変更や新たなアプローチを検討する必要があるかもしれません。
AMHを改善するためのアプローチ
生活習慣の見直し
AMH値を改善するためには、まず生活習慣の見直しが重要です。健康的な生活習慣は、卵巣の機能をサポートし、AMH値の維持に寄与します。
以下のポイントを参考に、日々の生活を見直してみましょう。
■規則正しい睡眠
睡眠不足はホルモンバランスを崩し、卵巣機能に悪影響を与える可能性があります。1日7~8時間の睡眠を確保することが理想的です。
■適度な運動
運動は血流を改善し、卵巣への血流も増加させます。特に有酸素運動やヨガは、ストレス解消にも役立ちます。週に3~4回、30分程度の運動を継続することを目指しましょう。
■ストレス管理
慢性的なストレスはホルモンバランスを乱し、AMH値に悪影響を与えます。リラクゼーション法や趣味の時間を設け、リフレッシュすることが大切です。マインドフルネスや瞑想など、心を落ち着かせる方法を試してみるのも良いでしょう。
栄養とサプリメント
栄養バランスの取れた食事も、AMH値の改善に重要な役割を果たします。卵巣の健康をサポートするために、特に以下の栄養素を意識して摂取しましょう。
■抗酸化物質が豊富な食品
ビタミンCやビタミンE、亜鉛、セレンなどは、卵巣の細胞を保護し、機能をサポートします。これらは、果物や野菜、ナッツ、種子、魚などに含まれています。
■オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸は、ホルモンバランスを整え、卵巣の炎症を軽減する効果があります。魚(特にサーモンやサバ)、亜麻仁油、チアシードなどから摂取できます。
■鉄分や葉酸
これらは血液の健康を維持し、卵巣への酸素供給を助けます。赤身の肉、豆類、ほうれん草などが良い供給源です。
また、低AMHの方はビタミンDが不足している傾向があります。
必要に応じてサプリメントの摂取も検討しましょう。ただし、サプリメントの使用については、医師と相談し、適切な量や種類を確認することが大切です。過剰摂取は逆効果となる場合があるため、注意が必要です。
AMHに関するよくある質問
AMHの数値はどれくらいの頻度で変動するの?
AMHの数値は月経周期に関係なく、安定したホルモンとされています。しかし、個々の生活習慣や健康状態によっては、微妙な変動が見られることもあります。一般的に、半年から一年に一度の頻度で測定し、変化をモニタリングすることが推奨されます。特に、不妊治療を進めている場合や治療法を変更する際には、定期的な測定が重要です。

何度目か検査した際に医師から言われたのですが、多少数値のブレがあるそうです。
AMH値が低くても妊娠できるの?
AMH値が低いと、卵巣の予備能が低下していることを示しますが、妊娠が不可能というわけではありません。実際には、低AMH値でも妊娠に成功するケースは多々あります。AMH値はあくまで卵子の数を示す指標であり、卵子の質や他の健康要因も重要です。
低AMH値でも妊娠を目指すためには、体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)などの高度な不妊治療法が適用されることがあります。これらの方法は、卵巣の刺激を最小限に抑えながら効果的に卵子を採取し、妊娠の可能性を高めることができます。
また、生活習慣の見直しも大切です。健康的な食事、適度な運動、ストレス管理は卵巣機能をサポートし、妊娠のチャンスを高めることができます。特に、抗酸化物質やオメガ3脂肪酸を豊富に含む食品を摂取することで、卵子の質を向上させる効果が期待されます。
さらに、サプリメントの摂取も一つの方法です。例えば、コエンザイムQ10やDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)などのサプリメントは、卵巣機能を改善し、卵子の質を向上させる可能性があります。ただし、サプリメントの使用については、必ず医師と相談し、適切な指導を受けることが重要です。
AMHの数値を上げるにはどうすればよいの?
一度減ってしまった卵の数は二度と増やす事はできないため、数値をあげることはできません。ただし、今以上に減らさないために5章を参考に生活習慣を見直してみましょう。

筆者も低AMHです。筆者は30代ですが、AMHは40代相当。
初めてAMHの説明を受けたときはショックでしたが、これ以上低くならないために生活習慣の改善に取り組んでいます。
(ホットヨガ、睡眠時間の確保、ビタミンD、亜鉛の摂取等)
まとめ
AMHは上げることは難しいため、低AMHと言われた方は衝撃が大きいと思います。
(数値のブレによって多少数値が改善(AMH増加)することはあるでしょう)
ただし、AMH値が低くても高くても妊娠の成功例はあります。
医学の進歩により、確実に数十年前よりAMH値が正常値でない方の妊娠率は上がっているはず。AMH値が正常値でなくても、まずは自分ができるところから改善して妊娠に繋げましょう!
筆者は医療関係者ではありません。治療を通じて調べたこと、担当医や看護師さんから伺ったことを元に記事を作成しています。従い、本記事の内容については参考までとしてください。本ブログから不明点が明確化し、かかりつけの医療機関に尋ねるきっかけになれば幸いです。
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