#09_不妊治療の保険適用って?

不妊治療

こんにちは。白うさ🐇です。

フルタイムで働きつつ、不妊治療を続けている30代です。

自分が直面した仕事と治療の両立、多様な国の制度について悩んだり迷ったりすることを共有し、読者の方の悩みを少しでも解決できればと思っています。

本記事は、漠然と不妊治療が気になっている方、不妊治療を始めるかどうか迷っている方におすすめです。

この記事を読めば以下について理解が進みます。

  • 不妊治療の保険適用って何ができる?
  • 費用、期間、成功率はどのくらい?
  • 不妊治療のリスクって何がある?

不妊治療とは?

不妊治療の基本的な定義

不妊治療とは、妊娠を望む夫婦が自然妊娠が難しい場合に医療の力を借りて妊娠を目指す治療です。不妊の定義は「1年間の避妊なしの性交で妊娠が成立しないこと」とされています。不妊の原因は女性だけでなく男性にもあり、夫婦両方の検査と治療が必要です。医師による診断を受け、不妊の原因を特定し、適切な治療を開始することが一般的です。不妊治療には段階があり、まずは自然に近い方法から始めます。タイミング法や薬物療法、さらに進んだ方法として人工授精や体外受精があります。不妊治療は身体的・精神的な負担が大きいため、カウンセリングを受けることも重要です。また、治療期間や費用についても事前に十分な情報を得ることが大切です。

不妊治療を始めるタイミング

不妊治療を始めるタイミングは、夫婦の状況や年齢、健康状態によって異なります。30歳以上の女性や、過去に不妊の原因となる病気を経験したことがある場合は、早めの相談が推奨されます。一般的には、1年間の自然妊娠が成立しない場合に医師の診断を受けることが目安です。年齢が高くなるほど妊娠の確率が下がるため、早期の治療開始が有効です。また、月経周期の不規則さや、明らかな排卵障害がある場合は、すぐに専門医に相談することをお勧めします。夫婦の健康状態を総合的に評価し、最適な治療法を選択することが重要です。

不妊治療を始める前に、夫婦での話し合いや、経済的な準備も必要です。治療には多くの時間と費用がかかる場合がありますので、治療計画を立てることが大切です。また、治療の進捗に応じて計画を柔軟に見直すことも考慮に入れておきましょう。

保険適用される不妊治療とは

保険適用される治療の概要

不妊治療には多くの種類がありますが、すべてが保険適用されるわけではありません。保険適用される治療は、医療費の一部が公的保険でカバーされるため、経済的負担が軽減されます。2022年から、日本では特定不妊治療も保険適用の対象となり、治療を受ける夫婦の選択肢が広がりました。具体的には、タイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精などが保険適用となります。それぞれの治療法には、適用条件や制約がありますので、詳細を理解しておくことが大切です。これにより、治療の選択肢を増やしつつ、無理のない範囲で治療を進めることが可能です。

対象となる治療

治療についての詳細は各リンク先の記事を参考にしてください

保険適用される検査

不妊治療には、治療の一環として様々な検査が必要です。これらの検査も保険適用の対象となり、経済的負担が軽減されます。
一般的な検査として、ホルモン検査、卵管造影検査、精液検査などがあります。これらの検査は、不妊治療の方向性を決定する上で重要な役割を果たします。保険適用により、必要な検査を経済的な負担なく受けることが可能です。

  • ホルモン検査
    女性のホルモンバランスを確認し、排卵の状態を把握します。
  • 卵管造影検査
    卵管の通りを確認し、閉塞がないかを調べます。
  • 精液検査
    男性の精子の質と量を確認し、不妊の原因を特定します。

また、特定の条件下で行われる詳細な検査も保険適用の対象となる場合があります。例えば、反復流産や着床障害が疑われる場合には、免疫学的検査や遺伝子検査が行われることがあります。これらの検査も保険適用されることで、より精密な診断が可能となり、適切な治療方針を立てることができます。

保険適用外の不妊治療

保険適用されない治療の概要

不妊治療には、保険が適用されない治療も数多く存在します。保険適用外の治療は、高額になることが多く、経済的な負担が大きくなります。これらの治療は、保険適用治療で結果が得られなかった場合や、特定の条件に該当する場合に選択されることが多いです。保険適用外の治療には、先進的な技術を用いたものや、新しい治療法が含まれます。また、一部の薬剤やサプリメントも保険適用外となる場合があります。

具体的な保険適用外治療

  • 特定の薬剤やサプリメント
    不妊治療には、さまざまな薬剤やサプリメントが使用されますが、保険適用外のものも多く存在します。例えば、ホルモンバランスを調整するための特定の薬剤や、卵子の質を向上させるためのサプリメントがこれに該当します。これらの薬剤やサプリメントは、医師の指導のもと使用されることが推奨されますが、保険が適用されないため、高額な費用がかかることがあります。また、効果には個人差があり、長期間使用する必要がある場合もあります。
  • 一部の先端技術を用いた治療
    先端技術を用いた治療は、不妊治療の分野で注目されていますが、保険適用外となる場合が多いです。例えば、遺伝子診断を用いた着床前診断(PGD)は、胚移植前に遺伝的な異常を検査するための技術です。これにより、遺伝的な問題を回避し、妊娠の成功率を高めることができますが、保険適用外のため高額な費用がかかります。また、卵子や精子の凍結保存、胚の凍結保存も先端技術を用いた治療の一部です。これらの技術は、将来的に使用するために卵子や精子、胚を保存し、必要な時に解凍して使用することができます。これも保険適用外であり、保存期間に応じて費用がかかります。
  • 自費診療の人工授精
    保険適用の人工授精が効果を発揮しなかった場合や、特定の条件を満たす場合に、自費診療の人工授精が選択されることがあります。自費診療の人工授精では、より詳細な精子の選別や、洗浄技術が使用されることがあります。これにより、妊娠の成功率を高めることができますが、保険適用外のため費用がかかります。自費診療の人工授精は、カスタマイズされた治療が可能であり、夫婦の状況に応じた最適な治療を提供することができます。
  • 免疫療法
    女性の免疫系を調整し、妊娠を妨げる要因を取り除く治療法です。
  • 遺伝子治療
    遺伝的な問題を持つカップルに対して行われる治療法で、遺伝子の異常を修正することが目的です。専門の医療機関で行われます。

保険適用外の治療を選択する際には、費用や効果を十分に理解し、医師とよく相談することが重要です。経済的な負担を考慮しつつ、自分たちに最適な治療法を選び、前向きに不妊治療に取り組んでいきましょう。

不妊治療にかかる費用と期間

各治療の費用

  • タイミング法
    比較的安価で1回あたり数千円から1万円程度。
    医療機関でのカウンセリングや、タイミングの指導がメインになります。
  • 人工授精(AIH)
    1回あたり1万円から3万円程度。
    事前の治療時期の相談と、人工授精に費用が掛かります。
  • 体外受精(IVF)(顕微授精含む)
    1回あたり10万円から20万円程度。
    採卵、移植、ホルモン剤等に費用が掛かります。

これらの治療費用は、保険適用により通常の半額程度に抑えられています。
※医療機関により変動しますのでご留意ください。

各治療法の平均的な期間

  • タイミング法
    3ヶ月から6ヶ月程度で結果が出ることが多いです。基本的に不妊治療を始めている方は医療機関を受診する前に1年程度自己流でタイミング法を試行されている方が多いため、前述の期間をステップアップの目安としても良いでしょう。
  • 人工授精(AIH)
    6ヶ月程度。ステップアップの目安は6回と言われることが多いです。
  • 体外受精(IVF)(顕微授精含む)
    採卵で1周期、新鮮胚か凍結胚かによりますが、移植に1周期かかります。詳細は体外受精の記事を参照ください。1回のサイクルで数週間~数か月かかります。

不妊治療の成功率とリスク

不妊治療の成功率

不妊治療の成功率は、治療方法や個々の健康状態によって異なります。また、不妊治療の成功率は、複数回の治療を通じて高まることが一般的です。個々の状況によって成功率は異なるため、医師と相談し、現実的な期待値を持つことが重要です。

  • タイミング法
    不妊の要因のない夫婦であれば約20%。
  • 人工授精(AIH)
    1回あたり5%から10%程度。
  • 体外受精(IVF)(顕微授精含む)
    年齢、健康状態、移植する胚の状態により変わりますが、約20%から40%。
    成功率は治療回数や医療機関の技術力にも影響されます。

成功率を高めるためには、健康的な生活習慣の維持やストレス管理も大切です。適切なサポートを受けながら、前向きに治療を続けましょう。

不妊治療のリスク

不妊治療には、身体的・精神的なリスクが伴います。治療前にリスクを理解し、対策を講じることが重要です。以下に主要なリスクを説明します。

  • 身体的リスク
    不妊治療の身体的リスクには、ホルモン療法による副作用があります。ホルモン療法は、体内のホルモンバランスを調整するため、頭痛、吐き気、体重増加などの副作用が生じることがあります。また、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は、体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)でホルモン療法を受ける際に起こることがあります。OHSSは、腹部の膨満感や痛み、体重増加、吐き気などの症状を引き起こし、重症化すると入院が必要になることもあります。
  • 精神的リスク
    不妊治療は、長期間にわたるストレスや不安を伴うことが多いです。治療の過程で、結果が出ない場合や繰り返し失敗する場合、精神的な負担が大きくなることがあります。

治療によるプレッシャーや社会的な期待が、夫婦間の関係にも影響を与えることがあります。夫婦でのコミュニケーションを大切にすることが重要です。周囲のサポートを得ながら、ストレスを適切に管理しましょう。

リスクを軽減する方法

不妊治療のリスクを軽減するためには、いくつかの方法があります。

  • 医師との密なコミュニケーション
    治療前にリスクや対策について十分に説明を受け、自分の状態を理解することが大切です。治療中も、身体や心の変化を医師に報告し、適切な対応を受けるようにしましょう。
  • 健康的な生活習慣の維持
    バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけることで、体調を整え、治療の効果を高めることができます。ストレス管理も重要で、リラクゼーションや趣味の時間を持つことが精神的な安定に繋がります。
  • 他者のサポートを受ける
    専門のカウンセラーやサポートグループに参加し、同じ経験を持つ人々と情報や感情を共有することで、孤独感を和らげることができます。家族や友人にもサポートをお願いし、治療の過程を理解してもらうことが重要です。
  • 自分のペースで治療を進めること
    結果が出ない場合でも、焦らずに次のステップを考えることで、心の余裕を持ちましょう。治療の過程で挫折を感じることがあっても、自分自身を責めずに、前向きな気持ちを持ち続けること

まとめ

不妊治療の保険適用により、経済的な負担は緩和しました。それでも身体的、精神的な負担は変わりません。しかし、不妊治療は決して孤独な戦いではありません。隣の芝が青く見えることも何度もあるでしょう。ただ、同じ道を歩んでいる人々や、サポートしてくれる家族や友人が必ずいます。困難な時期でも、自分自身を信じ、前向きに取り組むことが大切です。焦らずに、自分のペースで治療を進めてください。

筆者は医療関係者ではありません。治療を通じて調べたこと、担当医や看護師さんから伺ったことを元に記事を作成しています。従い、本記事の内容については参考までとしてください。本ブログから不明点が明確化し、かかりつけの医療機関に尋ねるきっかけになれば幸いです。

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